私たちが訪ねたのは、ファン歴45年のトラック運転手・後藤利明さん(49)。


ローカル鉄道に乗って全国を巡った証=御朱印帳ならぬ「鉄印帳」を所有する後藤さん。キハ85系のラストランには特別な思いがあるといいます。


(後藤利明さん)
「これが確か高校1年生くらいだったころ(に撮った)。キハ85系は中学時代に初めて出会って一番印象に残っていた車両だった。エンジンの音が他の列車とまったく違った。加速感がすごくてスポーツカーかなと思うくらい」


後藤さんは好きがこうじて、3年前には旅行会社を通して「キハ85系」での団体旅行を自ら企画。鉄道ファン約80人が集まったといいます。

そして今回もある企画を立案…

(後藤利明さん)
「私たちの仲間以外にも、地域の方もみんなで組んで見届けたいなと」

向かったのは岐阜市の長森駅近くの沿線。手製の旗や横断幕を持った多くの仲間たちが集まっていました。


(訪れた人)
「さみしい。子供のころから撮ってきた車両だから」

「(子供が)産まれた時から抱っこしながら乗っていた。」


(後藤利明さん)
「ちょっと寂しい。どういうふうに言葉を出せばいいか、直前になると分からなくなる」

午後4時過ぎ…キハ85系が来ました。

後藤さんも「ありがとう!」と声を掛けます。


そして、最後のキハ85系は走り過ぎていきました。

(後藤利明さん)
「ここまでみんなが思ってもらえているのは本当に嬉しかった。言いたい言葉は…お疲れ様ですと」

終着駅の名古屋駅。多くの鉄道ファンが出迎えました。


デビューから34年と5か月、多くの人に愛された「キハ85系」は、最後の役目を終えました。