ことし5月、突然の知らせが入った。「横井さんの穴が確認できたそうです!グアムから画像も届きました!」そう伝えてきたのは、横井庄一さんの足跡を振り返るドキュメンタリー番組をこれまで筆者とともに作ってきた男性記者。

伝説の残留日本兵・横井庄一さんとは、太平洋戦争の終結を知らされないまま28年にわたってグアム島のジャングルに潜伏していた愛知県出身の元陸軍軍曹だ。

1972年2月2日 羽田空港に現れた横井庄一さん

手で掘り続けて完成した「穴」究極のサバイバル

横井さんが、ジャングルでの生活の拠点としたのは自ら手掘りした「穴」。帰国後に横井さんが書いた本や証言からも、どれだけ「生きる力と知恵」を備えた人だったのかがわかる。

これまでの取材では、新型コロナの影響で現地・グアム島に行くことはかなわず、在住の日本人カメラマンの小川昌司氏にグアムでの撮影の全般をお願いしていた。

とりわけ横井さんが暮らしていたとされる「穴」までの道中は険しく、雨季と重なると、あちこちに現れる川で行く手は遮られ、危険な撮影になるとのことだった。

そのため、現在の「穴」の撮影はタイミング的に断念せざるを得なかった。コロナ禍で放送する番組ではお伝えすることができなかったのが心残りではあった。

横井さんのいたジャングル 撮影:小川昌司カメラマン