では、学校の授業で着用する"スクール水着"はどんな状況になっているのか…。

長年の定番は、肩や足が露出する“ワンピースタイプ”だが、記者は製造するメーカーに最近の傾向を取材することに。訪ねたのは、奈良県の南和繊維工業

「全然恥ずかしくない!」スクール水着の大事なポイント

<人気はスカート付き>


一番売れている商品は、おしりの部分が隠れ、子どもたちの『恥ずかしい』いう思いを払拭するのに少しでも応えたいと開発されたスカート付き水着だという。

南和繊維工業で注文が増えてきたのは2〜3年前から。全国の小中学校の体操服やスクール水着を製造してきたそうだが、スカート付きの他にはパンツとトップスに分かれるセパレートタイプなども製造しているという。

また、肌の露出を少しでも抑えて日焼け防止の効果が上がるという商品もリクエストが増えてきているそうだ。

年間およそ15万枚の水着を製造する中で、肌の露出が少ない水着の発注が約7割。従来型のワンピースタイプを圧倒的に上回る需要だ。

消えゆくブルマー 


さらに時代の流れはブルマーにも。

南和繊維工業によると一番いいときで年間7万枚のブルマーを販売していたそうだが、徐々に注文は減っていき、今は全く作っていないそうだ。

かつては体育の授業で女子児童の多くが着用していたブルマー。昭和から平成に変わる頃、『肌が出過ぎ』『教育現場での男女差をなくそう』という社会的背景もあり、ショートパンツへとかわっていく。

担当記者もその時代の変わり目で、ショートパンツ着用が決められていた小学校からブルマー着用の小学校に転校した経験があった。

転校した先で初の体育の授業では1人だけショートパンツ着用で参加。すると、周りの女子児童から「ショートパンツいいなあ~」とうらやましがられたそうだ。

しかし、その後の運動会では「周りと一緒がいい」と、ブルマーを着用することを決断した記者。しかし…「走った時にブルマーからもし下着が見えたらどうしよう…」

とても走った時の不安が大きかったという記者。足が出ている恥ずかしさも…。
結局、運動会では全力で走ることは出来なかったそうだ。

そして、時代はブルマー消滅の流れへとなっていく。これを受けて各学校が採用するスクール水着も2000年に入った頃に露出の少ないパンツタイプが誕生してきたという。

水着・体操服・ランドセルもジェンダーレスの時代

 
<これが「ラッシュガード」です>

最近のスクール水着は、学校指定とは言え「紺か黒であればどこのメーカーのどんな水着でもいい」という流れだそうだ。

また、男子児童でも「上半身裸は嫌だ」という声もあり、『ラッシュガード』なる上半身に着用する水着も需要があるのだそうだ。

筆者は知らなかったが、体操服における『』も確実にジェンダーレスの流れの中にあり、男の子が紺色、女の子がえんじ色というような色分けが多かったのが、昨今は男女ともに抵抗感の少ない『ブルーで統一!』という学校が増えてきているのだという。

                  
<ランドセルもジャンダーレス化。男は黒 女は赤…ではない>

そして、制服やランドセルもジェンダーレス時代。多様性が尊重され、性別の枠にとらわれないジェンダーレスファッションはどんどん広がっている。