事件が起きたのは6年前…夫婦を殺害し財布を奪う


事件は2017年3月、名古屋市南区の住宅で起きた。

大島克夫さん(当時83)と妻のたみ子さん(当時80)が、1階の居間で血を流して倒れているのが見つかった。


事件から3日後、はす向かいのアパートに住んでいた山田被告が自首。強盗殺人の疑いで逮捕・起訴された。

山田被告は、大島さん夫妻を殺害し、現金少なくとも1200円が入った財布を奪った罪に問われている。


2019年に始まった名古屋地裁での初公判。弁護側は起訴内容を否認した。

山田被告は「弁護人に任せます」と話し、弁護人は「強盗目的ではなく、殺人と窃盗が成立するにとどまる」などと主張した。


一方の検察側は「山田被告には借金があり、金銭的に困窮して犯行に及んだ」と指摘した。

その後、検察側は山田被告に”死刑”を求刑。


名古屋地裁が言い渡した判決は、”無期懲役”だった。


「被害者を殺害してまで金品を奪おうと考えるほど経済的に困窮していたとは考えにくい。被告人が被害者の家に高額の財産があると考えていた形跡はないことなどから、強盗目的であったとは認められない」

【強盗殺人】ではなく【殺人と窃盗】が成立すると判断したのだ。


2020年1月、控訴審の名古屋高裁はこの判決を破棄。


それから2年後の2022年2月、山田被告は医師から診察結果の説明を受けた。