入川森林軌道には銭湯や娯楽施設がなかった⁉ 噂の真相とは

(道マニア・石井あつこさん)
「集落の痕跡も娯楽施設もどこにあったのか見当がつかないので、地元の方にお聞きできればいいなと」
この地で人々はどのような営みをしていたのか真相を突き止めるべく、まずは秩父市立秩父図書館へ。しかし、具体的な内容がおさめられた資料が見つからず、別の森林軌道についての本を書かれた森林インストラクター・山中正彦さんにお話を伺いました。
当時はまだ国道が整備されておらず、森林軌道の拠点の川又へ運んだ木材は索道を使ってその先へ運んでいたそうで、郵便物等も索道で運んでいたとのこと。最盛期は入川の集落に70戸の住宅があり、事業所や貯木場もありましたが、銭湯や娯楽施設はなかったそうです。

秩父市の中津川には、かつて140種類もの鉱物を産出した「秩父鉱山」が存在。最盛期には800人ほどの人が働き、鉱山地帯には3000人近くの人が住んでいたと言われています。
山の中の一つの町とも呼ばれ、銭湯や娯楽施設、学校もあったそう。「入川森林軌道には銭湯や娯楽施設があった」という噂は、秩父鉱山のことを指しているのではないかと山中さんは言います。
(道マニア・石井あつこさん)
「遺構というのはいつか無くなってしまうものだが、そんな中で私みたいに実地踏査したり、地元の方が調べて記録に残してくださったりして、記憶や記録からは消えないというのを感じ取れた一日になった」
CBCテレビ「道との遭遇」2025年4月29日(火)午後11時56分放送より










