修復を終えた「原爆の図」が2年ぶりに美術館へ
埼玉県・東松山市にある「原爆の図 丸木美術館」。「原爆の図」を展示するために丸木夫妻が1967年に作った小さな美術館です。


(来館者)
「白と黒でこんな恐ろしいことが描けるんだ。だからこそなのかもわかりませんが、亡くなった人たちのまわりに魂が漂っているようなそんな印象を受けます」
6月13日、修復された「火」が約2年ぶりに戻ってきました。
(岡村学芸員)
「全体的に埃がついたりして汚れている部分があったので、今回それも全部きれいにしてもらった」

「火」は、2026年 国内だけでなく、ヨーロッパでも展示される予定です。
(岡村学芸員)「原爆や戦争を体験した方々はもう本当に残り時間が少なくなってきてると思う、絵は人の命よりも長い時間残るので、我々は絵画と言う想像力を通じて、自分たちが生きていない時代に起きたできごとを身近に考え続けていくことがとても重要かなと思っています」

80年前の、あの惨状を描いた丸木夫妻。日本が豊かさを取り戻した中、こんな言葉を残しています。
(丸木俊さん 1986年)
「洗濯機があって、自動車があって、テレビがあったら金持ちになったと思ってぼけてちゃだめよ。本当の豊かさとは何か、そういうことについて考えてもらいたい」

※丸木美術館は2025年9月28日(日)をもって、全館改修工事のため長期休館に入ります(リニューアルオープンは2027年5月を予定)。休館中も国内外での展示は行われます。