磯焼けの影響でアワビも激減!?


磯焼けの影響で、海藻をエサにしているアワビも激減しました。

志摩市では、最盛期には1人で年間2000万円分のアワビを獲る海女さんがいましたが、今は1人で年間平均20万円。かつて、この地域に68人いた海女さんも25人になりました。

(船越海女組合・小椋準一朗さん)
「(副業で)ホテルの清掃に行ったりとか、雑用のような仕事をしながら潜っている」

そんな状況を何とか改善しようと、ダイバーの清水さんは2021年から、地元の海女組合と共同で海藻が育ちやすい環境の調査を続けていますが、かつての緑を完全に取り戻すことは難しいと話します。

(プロダイバー・清水憲夫さん)
「資源が悪くなっていく状況を遅らせることができれば」

海流の変化によって豊かな生態系が壊れ、砂漠化した海で「厄介者」が暴れている現状です。

臭みがなく柔らかい食感?海のギャングをおいしい料理に


志摩市は2021年からウツボの駆除を行っていますが、そんな中で、この厄介者を有効活用しようという動きも出てきました。

桑名市でうどんやハマグリ料理を提供するお店「歌行燈」では今、ウツボのすり身と玉ねぎを使った揚げ出しなど、ウツボ料理の開発に乗り出しています。

ウツボは数百本の骨があり、食べられる部分は5分の1ほど。ただ、臭みはなく、柔らかい食感だといいます。

(歌行燈・川原富士夫料理長)
「見た目はグロテスクなのですが、食べてみたらそうでもなかったので、素材の味が訴求できた方がいい」


その道30年の料理長でもウツボを扱った経験はほとんどないため、唐揚げやうどん、天丼など、あらゆるメニューを試し、実際の店舗での提供を目指します。


(歌行燈・横井健祐社長)
「いま当たり前に食べている魚が食べられなくなることもあり得るという危機感で、新しい食材を使うことで新たなアイデアが生まれて来れば」

海のギャングを地元の名産に。資源保護にも繋がる新たな取り組みが進んでいます。

CBCテレビ「チャント!」10月12日放送より