賛否が真っ二つに割れたまま当日を迎えた安部元総理の「国葬」。

東海地方も含めて27日の動きをまとめました。

(記者)
「安倍元総理の国葬の会場からほど近い、東京都千代田区の九段下の交差点です。靖国通りをはじめ、数か所が車両通行止めになっていて、厳重な警備体制が敷かれています。


都内中心部、会場の日本武道館周辺では大規模な交通規制が。そして九段下に設けられた献花台には、長い列もできました。



(献花に訪れた人 自営業)
「安倍さんは日本を愛していたというか、国民のことを考えてくれたと私は思っている。遺志を引き継いで微力ながら『頑張ります』という気持ちで献花した」

(献花に訪れた人 大学生)
「外国の人からいち早く(弔問の)連絡がきていたのを見ると、本当に外交にも力を入れて、日本のために頑張っていてくれたんだなと思う」

(献花に訪れた人 会社員)
「ご冥福をお祈りするとともに、これからも日本のことを見守っていてほしい」

一方、国葬反対を叫ぶ人も。

「国葬はやめてください。法の下の平等と、内心の自由を奪う国葬に反対します」


旧憲法で規定されていた「国葬」とは違い、国が主催する葬儀でありながら、企業に休業や国民への弔意を求めないことから、正式には「国葬儀」と銘打たれた国の儀式。

東海地方では。

(記者)
「午前6時半です。愛知県庁の屋上には国葬が行われるのに合わせて、半旗が掲げられています」

安倍元総理を弔うための半旗や弔旗を掲げる自治体は、東海三県で6割にとどまるほか、公共の施設でも統一されていないなど国葬への対応でばらつきが出ています。


(街の人 70代女性介護職)
「反対です。お金を使っている。もっと他に使うところがあるのではないか」

(街の人 20代会社員)
「賛成です。私たちのことを考えてくれていたので、悼みたいという気持ちは大事にしたい」

三重・津市の自民党三重県連にも献花台が設置され、地元議員や市民が訪れていました。

愛知県愛西市にある大法寺(だいほうじ)。住職に人を弔う観点から今回の国葬について尋ねると…

(大法寺 長谷雄蓮華住職)
「まずは大切な人、親族もいて、この国のためにいろんなかたちで頑張ってきた人に弔意を向ける、弔う気持ちは大切だと思う。いろんな思いがあるとは思うが、まずは手を合わせて人の命に向き合っていただけたら。その後のいろんな議論は自由にすればいいと思う」




(CBCテレビ「チャント!」大石邦彦アンカーマン)
「東京都千代田区の国会前です。国会議事堂周辺にも警察車両が配置されています。物々しい雰囲気。では、地元の国会議員の皆さん。国葬に出席する人、しない人、今どんな気持ちなのか、聞いてみます」


国葬に参列する愛知選出の自由民主党・工藤彰三衆議院議員は。
「偉大な政治家として送って差し上げたい。(国葬については)賛否は問われているが、安倍晋三という元総理大臣を送り出すには、国葬という形で何ら支障ない」


一方、参列しない愛知選出の野党、立憲民主党の近藤昭一議員は。
「(国葬をする)明確な基準がない。明確な説明もない。(安倍元総理が)長期にわたって担ってきた政権、そこで作ってきた政治の評価はきちんとされなくてはいけない。ところが国葬によって隠されてしまう。消されてしまう危惧を大きく持っています」


国会議員はバスで会場の日本武道館へ。


午後2時、海外の要人も含め、およそ4300人が参列する中、国葬儀が始まりました、



(岸田文雄総理)  
「安倍さん、あなたはまだまだ長く生きていてもらわなければならない人でした。日本と世界の行く末を示す羅針盤として、この先10年、20年、力を尽くしてくださるものと私は確信していました」


反対の声は、その間も会場の外で続いていました。

(CBCテレビ「チャント!」大石邦彦アンカーマン)
「現在午後2時を過ぎました。安倍元総理の国葬は日本武道館で行われているんですが、国会前では、デモ隊が歩道を埋め尽くしています」。

名古屋市内でも。

(記者)
「午後2時をまわりました。安倍元総理の国葬が始まる中、名古屋・栄では国葬反対
を訴えるデモが行われています」



(デモ参加者)
「泣きたくなるほど、国民をばかにしている。国葬なんて」
「すごく問題があることなので、終わったからこれで良しではなくて、この問題は今後も追求していきたい」

各報道機関の調査で、半分以上の国民が反対意見の中行われた、安倍元総理の国葬。通算在任期間8年8ヶ月。アベノミクスに東京オリンピック招致などが功績とされる一方、森友・加計問題や桜を見る会など決着を見ないままの疑惑も残り、最後まで賛否両論で国を二分した政治家でした。