新たな医療機器の開発も 娘との約束は続く

東海メディカルプロダクツは、今も新たな医療機器の開発を続けています。2023年11月に開発した新製品「オプティマルワイヤー」は、脳に繋がる頸動脈がコレステロールの塊で狭くなる「頸動脈狭窄症」の治療に使う医療器具です。頸動脈を広げる際に、コレステロールの破片や血栓などが脳に入らないようするために使われます。
(愛知医科大学病院・宮地茂特命教授)
「風船のカテーテルはもともと外国メーカーが作っていたが、3年前に突然生産をやめた。バルーンといえば、東海メディカルプロダクツが素晴らしい技術を持っているので、ぜひやっていただけないかと(開発を依頼した)」
通常5年以上かかるといわれる医療機器の開発ですが、東海メディカルプロダクツはオプティマルワイヤーを約2年半で製品化しました。
(愛知医科大学病院・宮地茂特命教授)
「日本人の体に合うデザインにしてある。1個1個に信頼がおけるのが、東海メディカルプロダクツの強み」
筒井さんは2018年、医療機器の開発を目指す企業への支援のため、3000万円の基金を設立しました。そこにも、亡くなった佳美さんへの思いが。
(東海メディカルプロダクツ・筒井宣政会長)
「みんなで命を助け合わないといけない。佳美と一緒で、自分のことだけでなく、日本の人の命を助けること、ひいては世界の人を助けることを、医療としてやるべき。『もう少し生きたい』と言っていた。内心はもっと生きたかったんですよ、あの子は。佳美とは『みなさんのためになることなら、自分のことはいい』と約束した。佳美との約束は継続してやっている。多分、喜んでくれていると思う」

CBCテレビ「チャント!」6月17日放送より