「ラニーニャ現象」が発生したら…台風発生後すぐ日本に“接近”

ことしの夏は暑い?

夏だけで切り取ってみると、近年では、2020年と2022年が該当します。気象庁の資料によりますと、ラニーニャ現象が発生した2020年は、全国的に暑い夏となり、特に静岡県浜松市では8月17日に歴代最高気温41.1℃を観測(2018年7月にも埼玉県熊谷市で同気温)しました。

また、2022年も夏の平均気温が東・西日本と沖縄・奄美でかなり高くなりました。西日本では1946年の統計開始以降、当時としては1位タイの高温となりました。

ラニーニャ現象が発生すると、暑い夏になることが多いのが特徴です。
気象庁が発表していることしの夏の長期予報でも、全国的に平年より気温が高くなる可能性があるということです。

2024年夏の予報

ラニーニャ現象が発生したら、台風はどうなる?

ラニーニャ現象が発生した夏の台風は、以下の特徴があります。

・平常時に比べて西にずれる傾向がある(夏は北に、秋は西にずれる傾向がある)
・秋、台風の発生から消滅までの寿命が短くなる傾向がある

つまり、ことしの夏はいつもの年に比べて、日本に近い所で台風が発生することが多くなり、発生した後は短い時間で日本に接近する恐れがあります。

ラニーニャ現象の夏は、近くで発生した台風の影響で、急に風が強まったり、大雨をもたらしたりすることも考えられます。ことしも台風の情報はこまめに取り入れていただければと思います。

気象予報士・桜沢信司