若年化する摂食障害 小学生で拒食症になった女性も

心の病である摂食障害の患者は現在、国の調査によると推定約24万人。摂食障害の死亡率は約5%にのぼり、心の病の中では最も高いといわれています。患者を支援している団体は、現状に危機感を持っています。

(支援団体「摂食障害よりみち」・鈴木佳世代表)
「最近、若年化していると感じます。SNSが普及し、細身できゃしゃな子たちを見て、そうなりたいと思う子も多いのかなと」

愛知県瀬戸市に住む現在18歳の渡邊優杏さんは、小学6年生で拒食症になりました。渡邊さんは、完璧主義者だったと当時を振り返ります。

(渡邊優杏さん)
「性格的に自分が一番良くないと気が済まないタイプだったので、痩せている人の写真を見ると、これじゃダメだ、みたいな感じで。いかに数字を減らすか、ゲームみたいに。(体重が)減った時の快感に、どんどんはまっていった」

とにかく食べないようにして体重を減らし続け、小・中学生のときには入退院を繰り返しました。朝ご飯は食べず、学校でも給食は1口2口だけ。身長は155センチでしたが、体重が26キロにまで落ち、表情もなくなったといいます。

(優杏さんの母親)
「まさか小学校の子が(拒食症に)なるなんて。命が危ないのは分かっているのに、何もしてあげられないのが、すごくつらかったです」

渡邊さんが拒食症を克服したのは、高校1年生の時。きっかけは、母親の勧めで、動物性のものを食べない「ヴィーガン」の存在を知り、食べることへの抵抗が減ったことでした。

今は、体にいいとされる発酵食品にも注目するようになり、こうじの調味料を一から手作りしています。お手製の発酵調味料などで作った、卵や牛乳を使わないお菓子を販売する活動も行っています。

(渡邊優杏さん)
「やっぱり、食べたいものを食べた時の方が、体は喜んでくれる。自由に楽しんでいいと伝えたいです」

毎日の食事で体を作る子どもたちにとって、摂食障害は気を付けなければならず、早期発見、早期治療が必要です。専門家によると、家庭や教育現場などで、細かく子どもたちの体重の変化を気にかけることが大切です。

CBCテレビ「チャント!」4月24日放送より