石川県の主要水道管の耐震率 全国平均を大きく下回る

石川県珠洲市では、破損個所を探す手間を省くために仮設の管を地上に設置する作業が行われていますが、今もほぼ全域で断水が続いています。

主要な水道管の耐震率を見ると、石川県は36.8%。全国平均(41.2%)を大きく下回るのに対し、名古屋市は79.9%。全国でもトップレベルです。

また、いざというときに備えて、こうした主要な水道管や水道施設を複数化することにも力を入れています。

木曽川から水を取り入れる取水口は犬山市と一宮市にある2か所。浄水場は春日井、大治、千種区の3か所。

ここを複数の水道管で結んでいて、災害でどこかに損傷が起きても市内全域に水を供給できるようになっています。

そして、家庭に水を送る「配水管」についても名古屋ならではの取り組みが。

(名古屋市上下水道局・岡本三典さん)
「どこの管を耐震化していくか、経済的にも時間的にもかかる。一気には工事できないので、優先順位をつけている」

名古屋市の地中に張り巡らされた配水管をすべてつなげると、実に約8400キロ。名古屋からアメリカのサンフランシスコまで届く距離です。

このすべての耐震化にはまだ30年以上かかる見込みですが、病院や避難所となる小中学校など災害時、水が必要になる施設への配水管については今年度中に耐震化を終える予定です。

耐震化に使われるのが「ダクタイル鉄管」というもの。

管自体が頑丈なうえ接続部分がある程度動くため揺れにも強く、過去震度7の地震でも被害はありませんでした。

しかし、今回の能登半島地震では、輪島市内2か所で耐震管が外れているのが確認されたのです。

「耐震管は被害がでない」という“地震対策の大前提を揺るがす事態”に専門家は。