常につきまとう「孤立への不安」

高山市街地とを結ぶ道路の脇には、急斜面が続きます。

(岩滝まちづくり協議会 木谷 幸司さん)
「この道を作るときに、山手側に切り開くしかなかったんでしょうね」

地区の防災の中心メンバー、木谷幸司さんに「急所」となる場所を案内してもらいました。

(岩滝まちづくり協議会 木谷 幸司さん)
「特にここの斜面なんか、私素人ですけど、きっとこれは落ちてくるだろうなと思うんです」

あちこちに土砂災害防止のフェンスも設置されていますが、よく見ると普段から崩れているのか、小さな岩がたまっていました。地元の人が「白土」と呼ぶ、もろい土に覆われ、地区全体が土砂災害警戒区域に。「孤立への不安」は常に隣り合わせです。

2020年7月の豪雨で岩滝地区は孤立こそしませんでしたが、至る所で土砂崩れや、土石流に見舞われました。このとき、行政や学校の担当者が地区外から駆け付けるのに時間がかかり、せっかく備蓄してあった物資を使うことができなかったのです。

これを機に、住民の防災への意識が大きく変わりました。

(岩滝まちづくり協議会 木谷 幸司さん)
「行政に頼る時代はもうダメやなと。何でもかんでも市役所にやってくれって頼みにいったって、いざってときは解決はできない」