「マジどうしようもない。想定外にもほどがある」

(輪島市議会議員 大宮 正さん)
「こんな災害なんて、みんな想定していなかった。地区をあげて700人が全部避難しないといけない状況なんて全く考えていないし、輪島市も全く思ってないし、マジどうしようもないわ。想定外にもほどがある」

「集落全体」で避難しなければならない、きわめて異例の「集団避難」で孤立は解消しましたが、約270人の住民をまとめて避難させることができたのは、100キロほど離れた金沢市の体育館でした。

東海地方の私たちが脅威に直面する南海トラフ巨大地震では、国民の半数が被災すると予想され、支援を待つどころか「集団避難」の受け入れ先など期待できるはずがありません。

東海地方で孤立集落の問題が注目されたのは、2020年7月の豪雨でした。岐阜県では最大17の地区で3400人以上が孤立したため「孤立予想地域」を指定し、対策を急ぐことに。

人口300人ほどの高山市岩滝地区は、岐阜県が指定する災害時の「孤立予想地域」のひとつです。

岩滝地区は高山市街地から10キロほど東の山あいにあり、地区の外につながる道路は3本、高山市街地につながるのは1本しかありません。それらがふさがると、地区は「陸の孤島」になってしまいます。