使えるお金は減っているのに…「実体経済を反映した株価ではない」

では、我々の暮らしは楽になっているのか。

実際に支払われている給与「名目賃金」とそこから物価変動分を差し引いた「実質賃金」、使えるお金の増減率。2021年以降に注目すると、給料は前の年を上回っている一方で「実質賃金」の使えるお金は、2023年はマイナス2.5%と減少しています。

つまり、物価上昇に賃金の上昇が追いついていないのが現状で、生活は物価高で楽にはなっていません。

こうした現状を専門家はどう見ているのか。中部圏社会経済研究所の難波了一研究部長は「国内総生産・GDPもマイナス成長が続いている。実体経済を反映した株価ではない」と話しています。

GDPの6割は個人消費ですが、物価高で消費が伸びていないのが現状で、難波さんも“景気は足踏み状態”と言っています。これから春闘ですが、景気実感のカギは「賃金アップ」と言えそうです。