最後の子ども歌舞伎が幕を開ける
迎えた子ども歌舞伎当日。村歌舞伎の奉納には毎年多くの観光客も訪れ、田峯地区が1年で最も活気づく日でもあります。
(豊川市から来た人)
「子ども歌舞伎(を見に来た)。田峯小学校が廃校になると聞いて」

子どもたちは大人の歌舞伎の間に、観音様にご挨拶をして準備を進めます。化粧をすれば、立派な歌舞伎役者の出来上がりです。
(2年生・山下絢子さん)
「あんまり間違えないようにしたい」

いよいよ本番。5人が歓声を浴びながら花道を歩きます。
(4年生・竹下真央さん)
「女に化けて美人局」

練習では意味が分からなかった単語も、たくさん練習してイントネーションもばっちりです。堂々とした台詞回しと見得を切る姿に、今日一番の歓声とおひねりが飛びます。見せ所も完璧にこなした子どもたち。およそ50年にわたって受け継がれてきた伝統の子ども歌舞伎も、これで一旦は幕を下ろすことになります。

(歌舞伎奉納を受け継ぐ谷高屋・熊谷浩一座長)
「(今後、希望する田峯の子どもに)大人に混じって踊ってもらうのと、田峯以外の子どもたちも(歌舞伎を)踊りたい人がいれば受け入れたい。新しい形というか人が少ないので、興味がある人がいれば踊ってもいいんじゃないか」
(3年生・小野田仁平くん)
「地元の郷土芸能、歌舞伎に関われるっていうのはありがたいと思うし、大人になってもこういう郷土芸能は守りたい」

少子高齢化が止まらない中、地方の集落の伝統や文化をどう守っていくのか。山あいの小さな小学校と伝統芸の終わりを通して、改めて問いかけられています。
CBCテレビ「チャント!」2月14日放送より