前田良さん
「でも、今、ここで死んだら、僕は女性として葬られる。でも僕は、男として生きたい。でもまだ、男として生きてないじゃないかと思った時に、ちょっとだけ生きてみようと思って」
そう決めて勇気を振り絞り、学校の先生に『スカートをはきたくない』と訴えましたが、返ったきた言葉は、『我慢しろ』でした。
高校を卒業し就職した前田さんは、20歳の時に性同一性障害と診断されました。そして性別適合手術を受け、2008年に戸籍を男性に戻し、その後、パートナーと結婚します。
前田さんは、このパートナーと結婚したいと思った理由をこう話しました。

前田良さん
「パートナーだけだったんです。僕を1人の人として見てくれたのが」
前田さんご夫婦は、AID(非配偶者間人工授精)で、男の子を授かりました。
前田良さん
「僕はめちゃくちゃ嬉しかったです。すごい嬉しかったです。でも、世の中はそうじゃありませんでした。子どもが生まれた時に言われました。『可哀そうな子が生まれた』と」