鳥取県琴浦町で6月、VR機器を使った疑似体験を通じて、発達障害への理解を深めるイベントが開かれました。

体験会は琴浦町社会福祉協議会が開いたもので、住民約30人が参加しました。

シルバーウッド VR事業部 大野彩子さん
「皆さんだったらどう感じるのか。そして、まわりの人にどういう関わりをしてもらえると嬉しいのか、そういったことを、ぜひ当事者目線で発達障害を考えていければと思います」

参加者は、VR機器を使って発達障害にともなう3つの特性を疑似体験しました。

多くの発達障害当事者へのヒアリングを踏まえて作られたという動画。
「感覚過敏」のうち「聴覚過敏」がある人の音の聴こえ方の一例を再現したものは、とても集中して相手の話を聞くことができません。

外見からは判断ができず、周囲からは親の育て方や本人の努力不足であると誤解されることも多いという発達障害の症状。
疑似体験した人は…。

体験した人
「何を聞かれているのか、さっぱりで。こちら(まわりの会話)の方がずっと気になったという感じで」
「すごくびっくりしました。ここまで敏感に周りの音を拾っちゃうとは思ってなかったので」

主催した琴浦町社会福祉協議会は、去年、おととしと、認知症の人の症状をVRで疑似体験するイベントを開いています。

琴浦町社会福祉協議会 西本行則事務局長
「日ごろどういう感覚でおられるのか、障害がある方もない方も一緒に支え合って地域社会を築いていくと」

五感の感覚過敏がある 吉野公篤さん
「スーパーマーケットが一番嫌だなって、もう早く出たいなっていう感じがしますね。蛍光灯の音も聞こえる、風の音も聞こえる、話し声も聞こえる、レジの音も聞こえるという。すべての音が全部入ってきちゃうので、音量もすべて同じような音量で聞こえてしまうので」

イベントでは、発達障害で五感の感覚過敏がある人の日常での困りごとなどについてのインタビューも紹介されました。

発達障害の子どもを持つ参加者
「どんな世界が見えているのかというのが改めてわかって驚いた部分がありました。いちから子どもと接していけたらと思います」

民生児童委員を務める参加者
「思いやりと優しさですね。わたしたちの活動の中に少しでも生かしていければいいなと感じたところです。とても良かったです」

琴浦町社会福祉協議会では、今後も継続して共生社会の実現へ向けた取り組み進めていくということです。