一旦決まった「至誠小学校」という名前が白紙に戻り、新しい名前の案は「打吹至誠小学校」。
鳥取県倉吉市の2つの小学校を統合してできる新しい小学校の名前は紆余曲折を経て、17日の市議会で最終的な審議・採決が行われることになりました。
学校名を巡り紆余曲折があったのは、倉吉市の成徳小と灘手小を統合してできる新しい小学校。2022年9月の市議会で条例が可決され、一旦「至誠小」に決まりました。

ところが住民団体が異議を唱えます。
市議会の前の統合準備員会。市民から公募した学校名の案は341件、119種類でした。
このうち、実に150件が地元の地名にちなんだ「打吹」で、対して、選ばれた「至誠」の応募はわずか1件だったのです。
応募の数の多さで決めるわけではないというルールでしたが、150対1がひっくり返った結果を住民団体は疑問視し、4800に及ぶ署名を添えて条例廃止を直接請求。

広田市長は、統合準備委員会の手続の正当性を認めたうえで、苦渋の決断としてこの案に賛成。倉吉市議会も条例廃止を可決したため「至誠」は取りやめ、学校名は白紙に戻りました。
12月26日、仕切り直しとして開かれた統合準備委員会。両校区の委員が教育理念やなじみのある地名を理由にそれぞれ推して、折り合いがつかなかった「至誠」と「打吹」を、両方取り込む形で提案された名前が「打吹至誠小学校」でした。

前回のような投票には至らず、この案が候補に選定されました。
倉吉市教委 小椋博幸 教育長
「感謝と言いますか、地域の代表の皆様のご意見を大事にしてきて良かったなと思っています。打吹山のふもとにある真心の小学校」
直接請求をした住民団体 深田哲士 共同代表
「150対1の民意が聞かれていない、結局は。打吹至誠とういのは公募にない案ですから、それはひとついけんと思います」

学校名を定める条例の審議は「至誠小」を決めた2022年9月、条例廃止を決めた12月に続いて市議会では3回目。
4月の開校に向けてタイムリミットが迫る中、新しい学校名「打吹至誠小学校」がすんなり可決されるのか、注目されます。