2つの小学校を統合して誕生する新しい小学校の名前を「至誠小学校」とする条例の廃止議案を巡り21日、鳥取県の倉吉市議会で、直接請求をした住民団体の代表が意見を述べました。


新校名の再考を求める住民直接請求の会 高田博正 共同代表

「署名活動中には多くの市民の方が次の3点のことを言われました。応募数1の校名に決まり、あんまりだ、特に子供たちの声、保護者の声が届かず本当にかわいそうだ。学校は地域の象徴です。未来を担う子どもたちのものです。私たちの思いは公募されたら公表して欲しい、子供たちの視点に立って欲しい、多くの保護者や市民の声を聴いて欲しいことです」

住民団体の代表はこのように述べ、市民から多数の応募があった打吹小学校を抑え、応募1人の至誠小学校が選ばれたことなど、統合準備委員会の選定手続に疑問を投げ掛けました。


2023年4月、倉吉市の「成徳小」「灘手小」の2校を統合してできる学校の校名をめぐっては、事前に市民から案を募集し、寄せられた341件のうち、150件が地元の地名にちなんだ「打吹」でしたが、決まった校名は1件しか応募の無かった「至誠小学校」でした。

統合準備委員会の選定の経緯に疑問があるとして、住民団体は4800人分を超える署名を集め、校名を「至誠小」とする条例の廃止を市長に求めました。

広田市長は応募数で決めるものではないとルール化されていたと、選考手続の正当性は認めたうえで、署名数の重みを考え、公開の場での仕切り直しが適当として、苦渋の決断ながら条例廃止に賛成すると意見を述べました。

21日の議会では、議員から、選定が非公開となった理由を教育委員会に質す質問や、条例廃止が可決された場合の仕切り直しの手続を確認する質問が出ました。

条例廃止議案の採決は22日、倉吉市議会で行われます。