岡本喜八監督の次女 岡本真実さん
「なんか住んでたって感じがして…」

そして、監督直筆の日記を見せてくれました。

「近所の電気屋にミメ良き女ノ子が居る。年齢?さァネ女学校の二年位かナ?ナニ?ナーンダッて?トンでもゴザンセン.オレにァ恰度良い位さ。」

「東映食堂で1円のランチ。文化映劇で荒城の月を見る。良きだ。それに開演前のレコードが良い。」

そこにあったのは今と変わらない青春ですが、戦争が少しずつ、影を落としていきます。

「きょうの教練は戦闘訓練(へいたいごっこ)。腰の骨はイタム.銃持つ手がダルイ。足のヒザッコはすりむく。いやもうサンザンのテイタラク。すさまじきモノは教練なり。」

そして、自らの命をも捧げる覚悟、狂気が岡本監督自身にも・・・

「今日は故元師山本五十六海軍大将閣下の国葬日である。司令長官で戦死されるんだ。オレ達がタマに当たって灰となるのも極く当たり前の事ではなかろうか」

自らも向き合った戦争をフィルムに込めた岡本監督。
それは、簡単なことではありませんでした。