売り手市場が続く今の就活事情。そんな中、いち早く企業が学生と接点をつくるインターンシップ=就業体験の重要性が高まっています。

松江市の山陰合同銀行で29日まで行われたインターンシップに参加したのは、来年ではなく、再来年に就職する学生たちです。

「日経225が30パーセント・・・」

学生たちが話し合っているのは、モデル家族の退職後の資産運用について。

山陰合同銀行は今週、再来年の3月に卒業を予定する学生を対象に5日間のインターンシップを開催し、県内外からおよそ100人が参加しました。

銀行の仕事は個人向けの資産管理や貸付だけでなく、法人向けの融資や資産運用、さらにはスタートアップ支援による地方創生など、さまざま。

見学や講義だけでなく、グループワークなど体験も通して、魅力を知ってもらおうと開催しました。

山陰合同銀行人事部人材戦略グループ 田中友樹さん
「学生に自分自身が働く姿を想像してもらって、またその上で、山陰合同銀行で働くキャリアにつなげていってもらえたらなという思いで開催している」

5日間にわたるインターンシップは2023年から開催していて、その内容は去年、学生の社会的・職業的自立に貢献したプログラムとして、賞も受賞しています。

参加した学生
「ホームページとかで分かること以上に、社員の方がどんな風に働いているかなどを、実際にこのオフィスに足を運んで体験してみることが、すごい有意義な時間になると思っている」

2年前から企業がインターンシップで得た学生の一部の情報を、採用活動に活用できるようになりました。

ごうぎんも今年の新入行員のうち、3人に1人以上がインターンシップ参加者。インターンシップは就活で重要な位置づけとなっています。

学生、そして、企業にとっては。

参加した学生
「売り手市場ではあるが、やっぱり自分が一番合った企業に入りたいと思っているので、まずは企業をいっぱい知って」
「一番自分が活躍できるところに入りたいと思っている」

山陰合同銀行人事部人材戦略グループ 田中友樹さん
「山陰合同銀行と一言に言っても、本当に様々な仕事・業務があって、おそらく学生がまだまだ知らない仕事もたくさんあるので、そういったものを知ってもらって自分の得意なことや特性を活かして、いろんな人が輝ける組織だというところを体感してもらいたいという狙いもある」

売り手市場と言われる一方で、就職後の離職率が企業の課題となっています。

インターンシップに参加する学生の選考が本格化するのは来年6月。学生、企業ともに納得できる職場選択を目指し、お互いの向き合いは就活の前から始まっています。