多くの植物の標本の画像をAIに学習させることで、2000種類以上の植物名を瞬時に判定できるようになったと、島根大学などで作る研究グループが発表しました。
開発したのは、島根大学生物資源科学部の秋廣高志助教。それに総合理工学部の白井匡人助教や県立三瓶自然館などが参加した研究グループです。

国内で採集された植物標本の画像57万枚を島根大学総合理工学部のパソコンに学習させることで、およそ2100種の植物を正答率96.4%で瞬時に判定できるシステムを作り上げました。
秋廣助教が担当した8万点の画像を取り込むのだけで10年かかったそうです。
島根大学生物資源科学部・秋廣高志助教
「試しに1枚、これをスキャンしてみたいと思います…ヤマノイモで合ってますね」

これまでに海外で開発されたものは正答率が10ポイントほど低い上、対応できる植物の種類も限られていたのだそうです。

島根大学生物資源科学部 秋廣高志 助教
「専門家でも判定を間違えることは多々あります。そういうものをコンピューターは間違えなかったりします。何枚も何枚も違っている物が見付かってます。誤った分類により、例えばこの種がここに生えています、という情報が出てしまうんですけど、実際にはその植物はない。判定できない人がそのデータだけを信用して、分布が広がったなどと判定してしまうので、それは非常に危険なんですよ」

秋廣助教らは今後、日本国内の植物およそ8000種類を網羅し、標本ではなく自然に生えている状態の写真で判定できるものに改良して行く考えです。