新潟工業高校の体育館が能登半島地震で被災し、部活動にも影響が出ました。
男子バスケ部も体育館を利用できず、他校から練習場所の提供を受けて部活動に打ち込んでいました。
子どもたちが抱くのは、支えてくれる周囲への感謝の気持ちです。
14日に新潟県胎内市の開志国際高校で行われた、新潟工業高校・男子バスケ部との練習試合で、部員たちに声をかける新潟工業高校男子バスケ部の庭野智監督。

「こういう環境があることが恵まれているんだから、助けられているんだから、負けっぱなしはだめ。ベンチも声出してがんばって、苦しい時に声出せるチームになりましょう」
「環境があることが恵まれている」
この言葉には、ある思いが込められています。
【新潟工業高校 宮原飛優キャプテン】
「周りが凹んだり沈んだりして、練習できる環境ではないです」

新潟工業高校では、元日の能登半島地震の影響で液状化現象が発生し、敷地内の一部が陥没。体育館の壁と床の間には隙間ができ、床にピンポン玉をおいてみると遠くへ転がっていきます。
こうした状況のため体育館の使用を見送っていましたが、今月末に公式戦を控える中でライバル校が、練習場所の提供を申し出たのです。
【開志国際高校 富樫英樹監督】
「同じ目標に向かってお互い頑張っている子どもたちを、助けていくのはお互い様だと思って」
【開志国際高校 平良宗龍キャプテン】
「自分たちのところは被害が少なくて済んだんですけど、新潟県内でもいろいろなところで被害が大きくなってると思うので、戦う相手でもあるんですけど、バスケットをしているという一つのくくりで、助け合いながらやっていけたら良いなと思います」

新潟工業はこれまで、開志国際のほか同様の打診があった新潟県内の大学などでも練習をしてきました。
【新潟工業高校 庭野智監督】
「今まで体育館使えるのは当たり前でした。こんな状況でも温かい言葉をかけて頂いて感謝しかありません」

子どもたちの中には「周囲への感謝の気持ち」が芽生えています。
【新潟工業高校 佐藤瑠海キャプテン】
「支えてくれる皆さん、送迎してくださる保護者の皆さん、いろいろな支えがあって、自分たちがバスケできることに感謝したいです」

【新潟工業高校 宮原飛優キャプテン】
「バスケットやれてることが当たり前じゃなくなってしまったので、母親だったり父親だったり、先生方や周りを見てくれる方々に、恩返しっていう形で結果を出していきたい」
新潟工業高校では、15日から体育館を使っての授業が始まり、今週からはバスケ部も体育館での練習が再開できる予定だということで、チームのメンバーは、支えてくれる人々への感謝を胸に、27日から開催されるBSN杯新潟県大会に臨みます。