『あの夏を取り戻せ』をキーワードに甲子園に集まった元球児たち…。
2020年、新型コロナウイルスの影響で戦後初めて「中止」になってしまった『夏の甲子園』の高校球児たちです。

29日に開幕した『あの夏を取り戻せ全国元高校球児野球大会』。
3年前に“大きな目標”を失った全国の高校球児たちが、幻となった憧れの舞台・阪神甲子園球場に集いました。

新潟県からは中越高校野球部のOBらが、甲子園の土を踏みしめ、力強い行進を見せました。

【(2020年当時)キャプテン 広瀬航大選手】
「みんなともっと野球をして、目標である日本一というのを成し遂げたかった…」

中止となった甲子園大会に代わってこの年に開かれた独自の新潟県大会で優勝したのが中越高校でした。しかしその当時、県内ナンバーワンになったナインには“その先”はありませんでした。

あの3年前の夏に“終止符を打つ″という思いから、当時の高校3年生が発起人となって今回実現した『あの夏を取り戻せ』というプロジェクトでは、甲子園を舞台にして入場行進や記念セレモニーを行い、交流戦も実施します。

仕事などの都合でどうしても6人しか参加できなかった中越高校野球部OBチームは残念ながら交流戦には出場できませんが、開会式の前に行われたシートノックで、甲子園の“感触”を味わっていました。

「今日この甲子園に立って、やっと“吹っ切れた”というか…。まだ心の中で、2020年の甲子園がなかったことが心のどこかにあった」

【中越高校野球部 本田仁哉監督】
「その言葉を聞くと本当に何よりで、ほんとうにありがたい機会。もう一回ここに勝って帰ってきて、新潟県の選手、新潟県のチームで日本一を目指します」

憧れの甲子園で最高の笑顔を見せた中越高校のOBたちにとって、生涯忘れられない一日となりそうです。