「魚沼の名前が消えることも、ない話ではない」募る危機感
かつては射的場や土産店が並び、何十人もの芸妓が歩いたという通りは、今はひっそりとしています。

【地元の人(89)】
「(昔は)ガラガラって、げたの音をさせてね」
Q今の夜の様子と比べると?「もう天と地だね」
そこで温泉街に人を呼び込もうと企画されたのが、アートフェス『FLOU(フロー)』です。昔懐かしい素朴な温泉街に“新たな潮流を生み出す”という思いから「流れ」を意味する「FLOW」と「風呂」を掛け合わせました。

開催は今年で2回目、東京を拠点に全国でファッションショーやイベントなどの演出を手掛ける山崎宗磨さん(42)が総合ディレクターを務めます。
【大湯アートフェスFLOU 山崎宗磨 総合ディレクター(42)】
「ちっちゃな温泉街なんですけど、昔ながらの建物もあったりとか、山もあるしすごくきれいな川も流れているし、風景どこを向いてもノスタルジックなレトロな雰囲気にあふれているので、我々のクリエイティブやアートを足すことで(地元の人にとって)普段見慣れた光景がちょっとアングルを変えただけで素敵な場所になる」

イベントの実行委員長は、地元で農業や地域情報の発信に取り組む坂本淳さんです。魚沼で食べた野菜のおいしさに心を掴まれ、東京から移住して20年。魚沼の若者が地元を離れていく現状に、危機感を募らせていました。
【大湯アートフェスFLOU 坂本淳 実行委員長(46)】
「我々大人が何もやらなかったら『あれはない、これはない』『下手したら仕事もない』『こんなところにいる必要ない』とよそへ行く。そうなってしまうのが一番(よくない)。魚沼の名前が地図上から消えるなんてことも、あながちない話ではない」

「でも、魚沼にはまだまだ可能性がある」。イベントを通して伝えたい思いがありました。