新潟県佐渡市内で27日、衰弱している野生のトキが見つかり野生復帰ステーションに保護されました。野生のトキが収容されるのは今年度初めてです。

佐渡自然保護官事務所によりますと、27日午後6時前に佐渡島真野地区の住宅地で衰弱している野生のトキを見たという連絡が住民からあったということです。

環境省の職員が確認したところ、右脚を引きずるような感じで、歩く様子もおかしかったことから『野生復帰ステーション』へ収容しました。

このトキは生まれてから40日程度が経っているとみられますが、特に外傷もなく、歩行異常と衰弱の原因は不明です。
なお、鳥インフルエンザについては陰性でしたが、同齢の平均的な個体に比べて体重が軽いことがわかっています。

今後は野生復帰ステーションでこのトキを治療し、順調に回復した場合には改めて野生に戻す方針です。

環境省関東地方環境事務所によりますと、今年は佐渡市内で延べ115組の野生のトキが巣をつくり、そのうちの23組から48羽のヒナが誕生し、最終的に34羽が巣立ちました。今回保護されたトキには足環がついていなかったことから、そのうちの1羽とみられています。

環境省関東地方環境事務所によりますと、放鳥を始めて以来、2022年末の時点で545羽のトキが生存していると推定されていて、野生環境から保護されたトキは今回で14例目だということです。

(※写真は2023年5月の“放鳥”の様子から)