新潟県阿賀野市で衣料品小売店『ファミリーカジュアル カワトー』を経営していた『カワトー』が、6月9日に事業を停止し自己破産申請の準備を始めたことが分かりました。負債総額はおよそ1億4000万円です。
民間の信用調査機関 帝国データバンク新潟支店によりますと、カワトーは1972年に設立した有限会社が前身で、地域住民に向けて婦人服などを店頭販売し、昭和から平成にかけては新潟県内各地に多店舗を展開して、1990年ころには年間に6億円超の売上高をあげていました。
その後は大型総合スーパーの出店や、短いスパンで世界的に大量展開される“ファストファッション”の台頭により順次店舗を縮小。近年は本店1店舗のみに運営を集中していました。
しかし顧客の高齢化に伴う固定客の減少は免れず、加えて2020年春以降には、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で来店客数も大きく減少し、業績が急激に低下していったということです。
一方で、事業立て直しの中で乗り出したのが学校指定の制服やセーラー服などの「インターネット通販」です。こちらも競合が厳しく難航する中で、2021年には社長が亡くなり、一時的には創業者でもある亡くなった社長の父親が改めて引き継いで経営を続けていましたが、2023年2月期の年売上高はおよそ1億3000万円にまで低下。資金繰りの見通しが立たず、後継者もいないことから、自己破産を申請することになったということです。
帝国データバンク新潟支店によりますと、新型コロナウイルス関連倒産だということで、負債総額はおよそ1億4000万円です。