自身を「トランスジェンダー」と認識している羽賀風真(はがふうま)さんは、同性婚を認めないまま「差別の禁止」も盛り込まれていない『LGBT理解増進法案』について、成立後の効果に疑問を投げかけます。

【プライドリンク代表 羽賀風真さん】
「今までと何か違うことは起きないんじゃないかなという、ちょっと不信感みたいのはあります。サミットに間に合わせたい、やっただけ、っていう雰囲気が醸し出されてきてるところもあるので、そこは本当にやっただけにならないように願いたいです」

理解増進法の役割とは?

LGBTに詳しい黒田隆史弁護士は「理解増進法は基本理念になる」と話し、浸透には時間はかかるものの、行政・福祉・経済団体などにプラスの影響を与えると捉えています。

【黒田隆史弁護士】
「自治体としては『このたび国でこういう法律が出来ましたのでそれに合わせてわが町でも対策を施策をしたいと思います』という時に、非常に力強い裏付けになる。さまざまなところの意識や行動が変わることによって、市民の方々の認識もちょっとずつ変わっていくのかな」

弁護士 黒田隆史さん

さらに、将来的には「差別『禁止』の法律が必要」と話しました。

【黒田隆史弁護士】
「具体的にどういったことを差別であると認識するのか、どのような対策を取るべきなのか、ということを1つずつ詰めていく作業が必要なのかなと思っています」

元々「差別の禁止」を法案に盛り込むという動きもありましたが、5月に提出された3つの提出案では差別に関する「禁止」は盛り込まれていませんでした。

また『パートナーシップ宣誓制度』でも、5月23日現在の登録件数が、新潟市20件・三条市1件・長岡市2件と、決して多いとは言えない状況です。
理由としては、各自治体独自の取り組みなので、導入していない自治体へ転居した場合には無効になる、制度利用カード見せて手続きすることが“実質的な”カミングアウトになってしまうこと、などが考えられるということです。

1人1人が理解する姿勢を持つ法律ができ、それをもとに自治体が予算を組んで事業化することが、まずは一歩目となるのではないでしょうか?
今後の動きに注目です。