はんこの会社を立ち上げてからおよそ20年。伊藤社長は余っている会社の敷地を有効に使いたいと考えていました。地域の人々と話しているうちに、農家が多いこと、お年寄りが多いことに着目して何ができるかを考えました。

【「いとおさんち」代表・「Swing」社長 伊藤豊さん】
「この人たちと一緒に何かできたらいいねという思いがあって、作物に対する関わり方とか触り方とかというのが上手そうだよね。それが私たちとコミットするところのタイミングでは、一番マッチングするかなと思った」

キクラゲの栽培を担当している小越さんも、実はもともと農業法人でコメの栽培をしていた農家でした。

【いとおさんち取締役 小越健太郎さん】
「農産物を作っている人がいいよね、ということで私に声が掛かって、そこからスタートした。やっぱり最初は、やってもなかなかいいものができなかったというのが正直なところ」

栽培を始めてから2年。試行錯誤を続けて、ようやくここまで大きなキクラゲを作ることができるようになり、今では「いとおさんちのキクラゲ」があちこちに納品されています。

新潟県燕市にある農産物直売所では、「いとおさんちのキクラゲ」が1パック100g入り378円で売られていました。評判も上々のようです。

【まがり屋 東山治花子店長】
「食べていただくと肉厚ですごくおいしいということで、お客さまから好評いただいている」

取り扱っているのは直売所だけではありません。弥彦神社のすぐ近くにあるお休み処では、なんと『キクラゲおでん』。大きなキクラゲが2つ刺さって100円です。

【食べた人は】
「おいしい。食感がいい。食べ応えがある」

【お休み処杉山 杉山亜子さん】
「おでんにまさか入れられるはずないでしょと、最初は正直思った。でもすごく大きな肉厚なキクラゲだったので、やってみて自分で食べてみたらやっぱりおいしくて、お出しするようになってからはお客様からも好評いただいて…」

4月からは、新潟市中央区にある新潟伊勢丹の地下1階でも取り扱いが始まっています。新鮮な野菜や果物を取り揃えている八百萬新潟では、ここでしか買えないものを取り揃えることにこだわっています。

【八百萬新潟 新潟伊勢丹店 弦巻隆之店長】
「食感が全然違うし、卵とじにしたときのおいしさも乾燥とは全然違う。際立った生のおいしいキクラゲ」