新型コロナウイルスの感染者の数は減少傾向が続いています。しかし、新潟県内では11月からの3カ月で209人もの患者が死亡し、そのほとんどが基礎疾患のある高齢者でした。この第8波を振り返ります。

先月26日に開かれた県の対策本部会議。

【花角知事】「1か月以上にわたって減少しているということで、第8波と言われる波はピークを越えてきたのかなと」

花角知事は去年11月頃から始まった第8波のピークは過ぎたとの認識を示しました。

実際、去年12月半ばには、一週間で感染者が2万人確認されましたが、現在では週に4000人ほどに減っています。

一方、この第8波で注目されたのが亡くなった人の数です。11月1日からのおよそ3か月で209人が死亡。7月1日からの第7波と比べると3倍以上に増えています。

209人中、91%には基礎疾患が、そして、98%にあたる205人は65歳以上の高齢者でした。

一体なぜ、これほど多くの高齢者が亡くなったのか。医療関係者に聞きました。

【新潟医療センター 吉澤弘久 院長】「症状が軽いといいましても、38度以上の発熱などがありますと、元々高齢者の方は抵抗力が低くなっています。対応力も低くなってますので、そうなった段階でやはり全身状態が悪くなる。ご飯が食べられなくなったり、水分摂取ができなくなったりする」

また、多く見られたのが食べ物や唾液とともに細菌が気道から肺の中に入ってしまう『誤嚥性肺炎』だといいます。

吉澤病院長は、ウイルスそのもので死亡する人はかなり減っているとみていて、誤嚥性肺炎のようなケースや持病の悪化が多いのではとしています。

【新潟医療センター 吉澤弘久 院長】「元々高齢者の方の死亡の大きな原因は誤嚥性肺炎がある。例えば、インフルエンザ発熱したとしても、普通の風邪で発熱したとしても、その熱が原因で嚥下機能(=食べ物を食道に送り込む)がさらに障害する、元々あったものが悪くなる。そういう状況で深刻な誤嚥性肺炎になるということはよくあること」

一時、県内全体で7割を越えた病床使用率。

「こちらが重症な方が入る場所になります」

これは新潟医療センターの職員が撮影した、新型コロナウイルス病棟の映像です。15人の患者を受け入れる態勢を取っていますが、12月と1月は30人以上の患者を、受け入れる状態が続いたそうです。

第8波は収束を迎えていますが、いつまた波が襲ってくるか分かりません。今後、高齢者を守るために私たちはどうするべきなのでしょうか。

【新潟医療センター 吉澤弘久 院長】「やはり院内感染を起こさないような対策というのは、病院では継続して行っていかなければならないと思っているし、施設においても同様だと思う。疾患にかかると悪化しやすい人たちを社会が守ってあげるというような体制の確立が必要なんだろうと」