日向さんは、母親の運転する車で新潟県柏崎市のアトリエに向かいました。
【母・ユウコさん】
「車の中でも『あれ?いない?!』と思って、気づいたら、小さくなって数式書いていて…」
出迎えてくれたのは、服飾デザイナーの小川結布好さん。日向さんの才能に惚れ込んだ小川さんは、数式をデザインにのせた服やバッグを手がけています。
この日は、5月に初めて開かれる日向さんのファッションショーの打ち合わせ。話に熱が入る中、日向さんはその傍らでもくもくと刺繡に取り組んでいました。この作品には既に数か月の時間をかけているという、特にこだわりの仕事ぶりです。

【「アトリエ 装ウ」デザイナー 小川結布好さん】
「上手に縫えばいいとか、ただただいいものを作ろうというのではなくて、本当に一針一針に気持ちがこもっているというか、とにかくきれいに縫って集中して…。やっぱり見る人が感動するのって、そういうのが伝わっているのかなってすごく思っていて」
作品を通して出会った2人。日向さんと関わる中で、小川さんには改めて気付かされたことがあるそうです。
【小川結布好さん】
「自分のこだわっているところというのを、世の中に合わせて見ないふりしたり、なかったことにしたり、我慢したりというふうにして自分は大人になってきたけど、彼はそうじゃなくて『自分のありのまま・あるがままの自分』というのをどんどん表に出していく。偽る必要はないし、枠にはめる必要もないし…」
