日向さんの作品のあたたかな色合いには、見る人を包み込むような優しい雰囲気が感じられます。
数式も、日向さんが生み出したアートのひとつ。夢中になってノートに向かうようになったのは2020年ごろからで、日向さんは数式の見た目だけではなく、答えを導き出す計算の過程にも美しさを見出しているのだとか。

日向さんは、こちらからの問い掛けに一言だけで答えてくれました。
問題は自分で考えて解いているんですか? 「うん」
問題集を見るのではなくて、頭の中で? 「うん」
ときには周囲との『壁』になることもあった強い『こだわり』は、『個性』として受け入れることで、日向さんだけが持つ“自分らしさ”へと形を変えました。

【ユウコさん】
「“こだわり”につまずいていたんだけど、結局こだわりを抜かしたら彼じゃなくなっちゃう。こだわりを受け入れて認めたら、逆に“彼らしさ”が輝いた。例えば(彼が)すごく落ち着いたら、学校に行けたら、勉強ができたら…と、社会が望む理想の姿になったときに、彼が幸せかって言ったら、そこじゃないなって思った」
こだわりを受け入れて認めた“自分らしさ”は、昨春から『Artist Hyuuga』として生きることを選んだ日向さんの道を、明るく照らし始めてくれたのです。