12月28日。年の瀬の寒さが身に染みるきょう、新潟県佐渡市の拉致被害者・曽我ひとみさんの母、ミヨシさんは94歳の誕生日を迎えました。
ケーキのろうそくを吹き消す笑顔も、しわの増えた手で握り返すぬくもりも、そこにはありません。
北朝鮮による拉致事件が、平穏な家族の時間を断ち切ってから47年あまり。
曽我さんが帰国を果たしてから23年がたってもなお、最愛の母との再会は叶わないまま、今年もこの日を迎えてしまいました。

「本当にもう時間がありません。94歳です、母は」
曽我さんが11月に開かれた「忘れるな拉致 県民集会」で語ったのは、かつて佐渡で過ごした母との「匂い」と「体温」の記憶でした。










