新たな戦場は「営業」という名の“最前線”

「プレーで貢献できなかった分、働いて恩返しじゃないけど、チームの支えになれればいいな」

引退後の貢献を望んだ浦川さんにクラブが示した道は、当初向いているイメージが持てなかった営業担当という新たな戦場でした。

新規スポンサー探しという未経験の困難。人との関係を大切にし、情が厚い彼女にとっては、スポンサーに増額をお願いするのは、どこか心が痛む。「お金だけを頼りにしているように見えたら」と思うと申し訳なさが先に立ってしまうといいます。それでも、彼女はこの新しいキャリアに挑み続けます。

アルビレディースの山本英明社長は、浦川さんの転身を「新潟に愛着を持つ選手の存在はクラブの財産」と捉え、橋川監督も「どんな立場でも“応援”ができる人。今後の活躍が楽しみ」と、そのポテンシャルに期待を寄せています。

浦川さんは最後に力を込めました。

「もっとこれからも新潟にレディースもあるんだよっていうところも含めて広げていければいいなっていうのは思っています」

浦川さんと白沢百合恵選手(左)、藤原凛音選手(右)

DF・浦川璃子としての物語は終わりましたが、営業・浦川璃子としての新たな物語は始まったばかり。ピッチの外で、クラブのために汗を流し、愛を広げる彼女の第二の人生が、アルビレックス新潟レディースの新たな歴史を築いていくに違いありません。