恩師の電話と「縁とタイミング」が変えた運命
新潟の企業から内定を得ていた2020年11月、前田さんの運命は一本の電話で大きく動きます。中高時代にアルビレディースの下部組織で指導を受けていた恩師・佐野佑樹さんからの誘いでした。
「佐野さんが長野パルセイロ・レディースにいて、『長野で強化や主務の仕事をやる人を探しているんだけど、来ない?興味ない?』って言われて」

迷いは一切ありませんでした。
電話を受けてすぐ長野へ向かい、その後、新潟での内定を断って長野行きを決断します。
長野では最初の2年間、主務と強化業務を兼務。特に選手との契約交渉やスカウティングを行う「強化」の業務は、時に厳しい決断を伝える場にも立ち会うことがあり、大きな重圧を感じたと言います。
充実した3年半を長野で過ごしましたが、退任する決断を下したタイミングで、再び故郷・新潟からの声がかかります。

実は、アルビレックス新潟レディースの山本英明社長は、前田さんが長野にいる頃から、いつか新潟に戻ってきてほしいという想いを持ち続けていました。
「クラブハウスもできて徐々に環境が良くなっていく中で、『やっぱりマネージャー、主務がいた方がいいよね』ということで…」
前田さんにとって、それはまさに“縁とタイミング”が一致した瞬間でした。










