新潟市の中心市街地「古町」(ふるまち)はその昔「花街」と呼ばれ、芸妓が行きかい、今もなおその風情ある街並みが残ります。
その古町では2022年4月、一度閉館していた大衆演劇が上演される「古町演芸場」が営業を再開しました。
大衆演劇の魅力を伝えようと、あるイベントが行われました。

新潟市中央区の本町通12番町にあるカフェでは27日、着物に着替える人たちの姿がありました。

着付けをするのは古町を中心にイベントを企画している和田冨美さんです。

【和田冨美さん】「新潟にある演芸場を応援したいことが基本で、大衆演劇は着物好きにはたまらない世界。着こなしも仕草も着物好きの人にそれを見てもらいたい」

着物姿で連れだって歩く参加者たち。
向かった先は…大衆演劇が上演される「古町演芸場」です。


「古町演芸場」は2005年にオープン。全国から劇団が招かれ、芝居や踊りなどが
見られる人気のスポットでした。しかし、新型コロナウイルスの影響もあり、2020年に閉館。それでも、大衆演劇を見られる場を残したいと、2022年4月に再びオープンしました。


【和田冨美さん】「初めて演芸場に来るって少し敷居が高いので、導入になればいいなと思って今回、この企画を計画しました」

今回のイベント参加者は10人。そのほとんどが古町演芸場を訪れるのも、大衆演劇を見るのも初めてです。


【イベント参加者】
「初めて参加するので少し緊張しています」

【イベント参加者】
「演芸場は初めてなんですが、こんなに客席と近いと思わなかったのでびっくりしています」

大衆演劇は時代劇や喜劇といった芝居と音楽に合わせて踊る舞踊ショーなどで構成されています。現在、公演を行っているのは「凰翔座(おうがざ)」です。
もともとは昭和初期に結成した一座で、8月に三ツ矢洋次郎さんと風美涼太郎さんの“2人座長”となり「凰翔座」に改名しました。


一座は総勢12人。最年少は座長の三ツ矢洋次郎さんの長男・かけるくん(7歳)です。
踊る曲も演歌からJ‐ポップ、ラップと多種多様で、1時間の舞踊ショーでは役者が
様々な着物に着替えて客席を沸かせました。
さらに、この日は出演者の誕生日とあって、会場は大盛り上がりでした。


公演はおよそ3時間。はじめての“演芸場”の感想を聞いてみると…

【初めて見た人は】
「感動しました。かっこよかったです」

「初めて見たんですけど、こんな世界があるんだなと感激しました。また来たいなと思いました。近くにこんないいところがあるなんて」

「大衆演劇は古いイメージがありましたが、衣装もおしゃれでJ‐POPとかラップに合わせてダンスがありとてもびっくりしました。新しい発見でした」

大衆演芸というと、年配の人の娯楽というイメージがありますが、幅広い層を楽しませる力があったようです。

【和田冨美さん】
「この古町は『花街』ということで、上(かみ)には芝居小屋があって、下(しも)には遊郭の跡があって、全部合わせて花街。ぜひ町おこしとか観光のスポットとして注目してもらいたい」

【凰翔座・三ツ矢洋次郎座長】
「演劇は分かりやすいので、見ていただければ皆さん楽しんでいただける。是非とも古町演芸場に見に来ていただきたい」

演芸場のこの熱気が、古町全体の活気を呼び起こす起爆剤になることに期待です。