骨髄バンクについて考えます。血液の病気と闘っている患者にとって、骨髄移植は「生きるチャンスを受け取る」とも言われています。しかし、ウイルス禍でドナー登録をする人が減っています。
【骨髄移植を経験 鈴木咲緒さん】「その人が登録してくれなかったら、その人が提供してくれなかったらと思うと、私は今、たぶんここにいないので、その人には本当に感謝しかないなと思っています」
新潟市中央区にある献血ルームで、骨髄バンクの登録を呼び掛けている女性。鈴木咲緒さん(30歳)です。鈴木さんは21歳の時に骨髄移植を受けました。16歳の誕生日目前だった春、鈴木さんは新潟高校への進学が決まっていて、新生活を心待ちにしていた矢先のことでした。
【鈴木咲緒さん】「頭痛がしてきたのが最初の症状で、何かおかしいなっていう感じだったんですけれど、鼻血が出ては止まり、出ては止まりっていう感じで…」
検査の結果、骨髄で血液をつくれなくなり、白血球や血小板などが減少してしまう「再生不良性貧血」と診断されました。原因不明の病気で、国の指定難病の一つです。
【鈴木咲緒さん】「頭を石で殴られたみたいな感じの衝撃がありました」
入学式に出席した日以降は入院生活に。頭痛や吐き気と闘いながら何とか学校に行こうと、2か月で復帰しますが…。
【鈴木咲緒さん】「座ってると、だんだん気持ちが悪くなってきて、結局すぐに保健室に行って家に帰るっていう生活を続けていて、自分の身体のせいで行けないっていう不甲斐なさと焦りと…」
入退院を繰り返す度に心に負担が掛かり、鈴木さんは退学を決めました。その後、現在の職業「鍼灸師」を志して専門学校に通い始めます。しかし、症状も落ち着き、勉強ができる喜びを感じていたころ、再び身体に異変が。再発でした。
【鈴木咲緒さん】「もうこんな生活続けるんだったら、骨髄移植っていう選択肢しかない」