一方、学校近くの民宿では総監督の妻、恵津子さんたちが食事の準備に大忙しでした。
田海総監督は民宿旅館を経営していて、ここを生徒たちの合宿所に開放しているのです。

田海総監督の妻・恵津子さん
「(部員は)家族と一緒なので、普通に大声出して怒鳴っている。何の気も使っていない」
子どものいない田海総監督夫婦にとって、部員たちは我が子同然なのです。

午後6時、稽古が続いていました。
中村泰輝さんは恵まれた体を武器に、2016年、1年生ながらインターハイで準優勝。熱を帯びる稽古…田海総監督は稽古中、檄を飛ばし続けます。
「試合のつもりで、この一番にかけろ!そういう小さいことの積み重ねが大きいことになっていくんだよ」

総監督から飛び出す厳しい言葉…これも我が子を強くしたいと願う親心のようなものです。公立高校だけに、全国の強豪校と比べると決して長い時間の稽古とはいえませんが、4時間の稽古の集中力はすさまじく、途中で話しかけることができないほどでした。