コメの味や香りを審査する『食味ランキング』で、10年連続最高評価の特A評価だった上越産のコシヒカリがランクを落とし、新潟のコシヒカリ「特A」は魚沼産のみとなりました。
コメの食味ランキングは日本穀物検定協会が毎年、5段階評価で発表しています。
2023年産のコシヒカリは、魚沼産が去年に引き続き最高ランクの「特A」評価。
中越・岩船・佐渡産も去年と変わらず「A」評価でした。
一方で10年連続「特A」だった上越産が、「特A」から「A」にランクダウン。
下越産は「A」から「A´(ダッシュ)」にダウンしました。
県産のコシヒカリで「特A」の評価が1つの産地のみとなるのは、1994年以来30年ぶりです。
【日本穀物検定協会 山下哲明業務執行理事】
「新潟県におきましては、梅雨明け以降、過去に例のない異常高温と雨が降らない少雨という状態となった。そういった中での生産だったので、白未熟とか胴割粒が多かったと聞いております」

10年連続最高評価だった上越産コシヒカリのAランク“陥落”に…
【上越市のコメ農家 中川卓夫さん】
「一回食味を落としてしまうと、消費者へ次に挽回するのが大変なんですよね。一番心配していたことが起きてしまった」
猛暑と水不足に襲われた2023年。
8月に上越市高田で観測された降水量はわずか35.5mm。

新潟県内全域でコメの品質が大きく低下し、県内のコシヒカリの1等米比率は5%に…。例年は8割近い比率です。
また県全体の収量を示す作況指数も、鳥取県と並ぶ全国最低となる「95」の“やや不良”でした。
【上越市のコメ農家 中川卓夫さん】
「また今年は少雪なので今度は地下水も少ないし、作付けが水不足にならないか心配なんですよね。コシヒカリが一番いいおいしいコメなので、そのコシヒカリをどう味を落とさないで作れるかがこれからの課題」

新潟県は、「さまざまある評価の一つとして受け止めて、ブランドにふさわしい品質を確保し消費者の信頼を裏切らないよう今後も取り組んでいきたい」とコメントしています。