その後、一旦帰国した服部。12月には第一子も生まれ、「まわりの環境にも変化があった」と顔をほころばせた。

 元日の全日本実業団対抗駅伝=ニューイヤー駅伝では、トヨタ自動車入社8年目にして初めて優勝を経験した。アンカーとしてフィニッシュテープを切ったチームキャプテンの服部は、チームメイトから胴上げされ、喜びを爆発させた。

拠点の愛知県田原市でトレーニング(23年10月) 提供:トヨタ自動車陸上長距離部

Q ニューイヤー駅伝は、久しぶりにスカッとする服部さんのレースを見た印象でしたがどうでしたか?

「優勝は入社してから初めてのことだったので本当に嬉しかったです。駅伝で勝つというのが、僕自身にはなかなかなかったので非常に嬉しかったと同時に、これをやはりマラソンに繋げなければという思いになりました。」

Q マラソンをする中で、ニューイヤー駅伝はどう位置付けていますか?

「毎年置かれる立場は違います。今年に関して言えば、やはり東京マラソンというものを目指すにあたって『スピードの強化』です。12月中は結構しっかり走れたし、そのスピードをニューイヤー駅伝である程度出せました。東京マラソンはコースが良いし、ペースも速いので、ニューイヤー駅伝や駅伝前のトレーニングがうまく生かされたら、マラソンにもうまく繋がっていくんじゃないかなという思いはあります。」

Q ケニアでのトレーニングはどんな内容ですか?

「(前述した同僚の)カロキさんのマラソントレーニングがベースです。今回、カロキさんのトレーニングというのを僕自身も初めてやるので、どういう結果になるのかわからないんですけど、まずはやってみるというところから、今スタートしています。」

Q まわりはどういう選手たちですか?

「ケニアではグループと呼ばれるチームのようなものがあって、7、8人でトレーニングをすることが多いですね。そこには監督やコーチなんていう人はいないし、自分たちでメニューを決めて、自分たちでトレーニングします。カロキさんが昔から一緒にトレーニングしているランニング仲間みたいな人、カロキさんのトレーナーさん、マッサージしてくれる人も一緒に練習したりします。」

Qトレーナーさんも速いんですか?

「トレーナーさんも普通に速いです。日本に来たら、マラソン大会では普通に優勝できるくらいだと思います(笑)」

服部の表情は柔らかい(2月12日)