「やっぱりよくないですよね」92歳の“現役アスリート”だからこそ抱く『悩み』と『危機感』

田中博男さん(92)
「こういう結果になるだろうなと予測もしていたし、自信もありましたので特別な感想はない。100メートルのタイムはやっぱりよくないですよね。19秒台ですよ」

2年前に打ち立てた世界記録は16秒69。気温30℃を超える天候は百戦錬磨のベテランにとっても苛酷な環境でした。そして、それ以上に92歳で現役アスリートだからこそ抱く「悩み」がありました。

記者の質問
「自己ベストを出すためにはやっぱり競争相手がいないと?」

田中博男さん(92)
「やっぱりそりゃそうですよ。まず一人で走っているものなので」

2023年4月に世界2冠に輝いた田中さんにとって一番のライバルは自分自身です。だからこそ田中さんが口にしたのは「喜び」ではなく「危機感」です。

田中博男さん(92)
「私以外の各選手たちも一番の狙いどころは(世代別の)クラスの一番始めの年。ここに全力投球する。前の年から体づくり・走り込み。次のクラスにどう備えるかの蓄財になる。だから安心していられない」

マスターズ陸上は5歳刻みにクラスが分かれているため90歳、95歳、100歳と節目の年齢を迎えた“若い選手”が記録更新には有利となります。