全国で500人以上の患者が発生した八戸市の弁当製造会社「吉田屋」の集団食中毒について。吉田広城社長は17日「大きな社会的責任を感じている」とコメントした上で近く会見を開くと発表しました。
吉田屋の吉田社長は17日午前、自社のホームページでコメントを発表しました。それによりますと吉田屋が製造した弁当による食中毒の患者が全国29の都道府県で521人発生したことについて「被害にあわれた方にあらためて謝罪します。大きな社会的責任を感じています」としています。
八戸市保健所は食中毒の主な原因として岩手県の業者から吉田屋へ納入されたコメが注文より温度が高く、冷却するまでに菌が増殖した可能性などを指摘していました。これについては「食品の製造および販売を行う企業として今回の指摘は極めて重大なものと受け止めています」と業務の改善に真摯に取り組む意向を示しています。また吉田社長は近く会見を開き、これまでの経緯と再発防止策について説明するとしています。
以下、コメントの全文です。
昨日、八戸市保健所より、関係自治体との調査等により推定される食中毒の原因に関する発表がございました。
「推定される主な原因」として挙げられるのは、次の5項目です。
1 委託製造した米飯について、検収手順及び受入れ基準を定めていなかったことから、注文時の指示書より高い温度の米飯を受け入れ、米飯冷却までに原因菌が増殖した可能性がある。
2 委託製造した米飯冷却が配送された外箱(発泡スチロール製)について、殺菌等の措置をせずに、盛り付け室に搬入したことから、米飯、具材などの原因菌が付着した可能性がある。
3 自社炊飯分の米飯冷却に加え、予定にない、委託製造した米飯の移し替えや冷却が同時に行われたが、その製造記録が残されておらず、手指の消毒、手袋交換等のタイミングや方法が適切に行われず、原因菌が付着した可能性がある。
4 臨時従業員に対して衛生教育や体調・手指の傷等健康状態の確認を行ったが、これらの記録が残されておらず、通常当該施設で実施されている衛生的な取扱いや健康管理が徹底されず、原因菌が付着した可能性がある。
5 回収について、当該営業者からの連絡が一部の販売店まで届かず、16日製造分の一部が販売され、食中毒患者が確認された。回収に関する連絡が確実に販売店まで届くよう、予め定めていなかった。
※ なお、「原因菌」とは、黄色ブドウ球菌及びセレウス菌を指します。
上記の各項目については、併せて改善の指導を受けております。
上記の各項目は、食品の製造及び販売を行う事業者として、どれもとても重大な事柄です。今回のご指摘は極めて重大なものであると受け止めております。また、保健所からは、委託製造された米飯の受入れというのがどういうリスクを伴うのかを十分に確認していなかった点に大きな要因があるとのご指摘もいただいております。これらを踏まえて、引き続き業務の改善と再発の防止に真摯に取り組んで参ります。
先ずは、行政処分の際に求められた改善報告書については、速やかに保健所に提出する予定でございます。また、上記の各項目に関しましては、早急に改善を行ったうえで、保健所にその状況を確認していただきます。
さて、この間、当社が製造をして販売がされた商品(弁当)に起因する食中毒と断定された方の人数が521人に上りました。
食中毒の被害にあわれた方には、あらためて謝罪申し上げます。また、商品を販売された店舗の関係者にも、引き続きご迷惑をおかけしております。
申し訳ございません。
併せて、被害にあわれてはいないものの、今回のことでご不安を感じておられる方々も多くいらっしゃることと存じます。食品の製造および販売を行う企業として、大きな社会的な責任を感じております。
つきましては、近日中に、これまでの詳細な経緯と改善の内容を含めた再発防止に向けた取組み等についてお伝えする機会を設けさせていただく予定でございます。日時、場所等の詳細は後日ご連絡差し上げます。何卒、よろしくお願い申し上げます。