絶滅危惧種に指定されている水草「ガシャモク」。2017年に青森県つがる市の池で生息が確認されました。このガシャモクを育成する実験に地元の木造高校が取り組んでいます。目指すのは“幻の水草”と呼ばれているガシャモクの保全です。
青森県つがる市郊外の池です。27日は弘前大学農学生命科学部が調査に入りました。特別な許可を得て採取したのは“幻の水草”と呼ばれている「ガシャモク」です。絶滅の危険が極めて高いとされる環境省のレッドリスト「絶滅危惧IA類」に指定されています。現在、国内で自生が確認されているのは3か所でつがる市では2017年に発見されました。
弘前大学農学生命科学部 山岸洋貴准教授
「人間の活動で数を減らしていくなか、新たに2000年代になって見つかるのは大きな意味を持っている」
この幻の水草の保全活動に取り組んでいるのが地元の木造高校です。2020年度から校内の水槽に切れ藻を植え付けて育てていました。ただ、ガシャモクは水槽で安定した生育はしていません。生徒たちはこの育成実験を通して学んだ絶滅危惧種を守る難しさをポスターにまとめて様々な場所で発表し、活動への理解を呼びかけていました。そして、27日はガシャモクが育ちやすい環境を学ぶため弘前大学の現地調査に同行。ボートの上から自生するガシャモクを観察しました。
木造高校2年 木村圭吾さん
「学校にある切れ藻しか見たことがなくて、ちゃんと生えているものを見たことがなかったので初めて見て、色とかも違っていい体験ができた」
生徒たちは2023年度中に同じくガシャモクの保全活動に取り組んでいる福岡県北九州市の研究チームにアドバイスをしてもらい、さらに活動を進展させる計画です。
木造高校2年 江良柊吾さん
「今後の目標はガシャモクの保護活動を広げていろんな人にガシャモクを知ってもらってガシャモクが絶滅危惧種から外れるようにすること」
地元の自然の豊かさに触れた生徒たちは、あらためて幻の水草「ガシャモク」を保全する意義を学びながら育成実験に向き合っています。