青森県深浦町の温泉旅館「黄金崎不老ふ死温泉」。7月の大雨による土砂流入などの影響で全国から観光客が訪れるこの施設が被害を受けました。被災からまもなく2か月、復旧を遂げて秋の観光シーズンに向けて準備を進めています。


日本海を望む青森県深浦町舮作海岸の一角にある「黄金崎不老ふ死温泉」。夕日を見ながら日本海が迫る露天風呂に入れるロケーションで県内外から人気を集めていましたが…。7月15日、深浦町では平年の1か月分を上回る172ミリの24時間降水量を観測。施設の電気設備が浸水したことで温泉をくみ上げることができなくなり、7月は予約の半数がキャンセルとなりました。

黄金崎不老ふ死温泉 佐藤晃三総支配人
「またかという感じ。それでも去年は被害直後もお風呂のお湯が出ていたのですが、今年はお風呂が2、3週間利用できない状況になってしまいまして非常につらかった」


こう嘆くのも災害に見舞われるのは今年に限ったことではなかったからです。

JNN取材団 遠藤怜子
「大雨の影響で露天風呂に続く道が陥没し、通れなくなっています」

2022年8月の豪雨にも町道が崩れ地下に埋まっているガス管や水道管が破損し、全体の3割の部屋は2022年12月に設備が復旧するまで使うことができませんでした。


黄金崎不老ふ死温泉 佐藤晃三総支配人
「8月前半はねぶたがありますし、中旬はお盆の帰省のお客さまが大変多いので、1年のかき入れ時に2年連続やられているのでダメージは大変あった」

2年連続で被災しましたが、施設は復旧作業を進め8月上旬までには露天風呂も内風呂も使えるようになったほか、すべての館内設備が元の状態に戻りました。

宮城県から来た宿泊客は
「(不老ふ死温泉の露天風呂は)ネットとかなんでも出てるじゃないですか。広告とかでも。いろんな人に入っていただいた方がいいと思うので復旧していただいてよかったと思います」

また災害直後に運休していたJR五能線も8月に運転を再開。懸念材料が解消され、現在は例年並みまで予約数が回復しました。


黄金崎不老ふ死温泉 佐藤晃三総支配人
「今年は白神山地世界遺産登録30周年ということで町も力をいれていますのでぜひみなさん深浦へ足を運んでいただければと思います」

コロナ禍前の2019年以来4年ぶりに万全な状態で臨む秋の行楽シーズン。2年連続の災害を乗り越えた老舗の温泉旅館が全国からの観光客を迎え入れます。