6月4日の投開票日、20年ぶりに新たな県政のリーダーが誕生する知事選。立候補しているのは届け出順に、前のむつ市長・宮下宗一郎候補(44)、元むつ市議会議員の横垣成年候補(63)、前の青森市長・小野寺晃彦候補(47)、仙台市の元会社員・楠田謙信候補(66)の4人です。

候補者が掲げる主な政策をお伝えしています。5回目のきょうは「農林水産業」です。


※リンゴ農家(弘前市)
「我々リンゴ農家にとっては、肥料・農薬がすごく高騰している。多少の補助金はありますが、まだまだ足りない。(値段が)倍になっているものもある」


※漁業者(八戸市)
「大変だよ、魚がとれなくて。魚安いし」「若者があまりいないので。漁業とか農業とか。そこに若者を引き入れたくれたら」

県内の農林水産業は後継者不足と高齢化が進んでいます。農業に携わる人は2020年に5万人を割り込み、65歳以上の割合は初めて6割に達しました。

また、漁業者は、2018年までの5年間で15%減少して8395人となり、65歳以上の割合は初めて3割を超えました。この状況に物価高が追い打ちをかけ、厳しい経営環境にあります。

後継者不足や高齢化、さらには物価高など厳しい環境の農林水産業、各候補者が掲げる政策は?


※宮下 宗一郎候補
「一人一人の思いをかなえる県政を青森新時代として推進していく」

宮下宗一郎候補は、ICTの利用拡大で生産性と品質の向上、労働力不足の解消を目指し、販売額と所得の増加につなげる考えです。


※宮下 宗一郎候補
「所得の向上が鍵になると思います。技術の高度化、販路の拡大、これまでやってきたことを含めて所得に注目した新しいプログラムをあるいは政策を立案し、各品目ごとに長期にわたる所得向上の政策を実現していきたい」

横垣成年さんは、学校給食で県産食材を消費して「地産地消」で農水産物の消費を拡大し、漁業は養殖漁業に転換したいと訴えています。


※横垣 成年候補
「農林水産業を青森県の経済対策の柱に据えて、最大限支援していく。地産地消を強力に進め、県が先頭に立つべきなのは、学校の給食に地場産業のものをいっぱい取り入れる。漁業については、海面漁業から養殖漁業に転換したいと思う。海面漁業は不安定ですから、養殖だと収入も安定する」


※小野寺 晃彦候補
「抽象論やイメージではありません」

小野寺晃彦候補は、東北で青森県が第1位の農業産出額を3500億円台に引き上げるため、効率化と省力化の取り組みを支援する考えです。


※小野寺 晃彦候補
「3500億円を超える、東北ナンバー1。さらに伸ばしていく。ポイントは効率化だったり省力化です。いま担い手不足、高齢化が大変厳しい一次産業ですから、機械化、スマート農業、スマート漁業であったり、高密植栽培、わい化などの新しい技術が次々に開発されています。さらには養殖型漁業。つくり育てる漁業などの取り組みも大変進んできていますので、こうした効率化・省力化の取り組みを青森県が独自に支援していく」

楠田謙信候補は、コメの二期作と陸奥湾にいけすを設置して養殖漁業に力を注ぐ考えです。


※楠田 謙信候補
「農業は、とにかくコメの二期作。水産業は“陸奥湾のいけす化”と私は提唱していますが、もっともっと生けすをいっぱい作って漁獲量を増やす。増やせばおいしいものが高く売れる」

「農林水産業」について、それぞれの候補者の訴えです。
宮下宗一郎候補は、ICTの利用拡大で生産性・品質の向上させ、所得を増やす。横垣成年候補は、学校給食での「地産地消」や養殖漁業への転換。小野寺晃彦候補は、効率化と省力化の取り組みを支援する。楠田謙信候補は、コメの二期作と養殖漁業に注力すると訴えています。

知事選の候補者が掲げる主な政策について、次回は「環境・エネルギー」をお伝えします。