2020年12月、青森市でタクシーで人をひいたあと救護しなかったとして、道路交通法違反(ひき逃げ)の罪に問われていた女性(66)の控訴審で、仙台高裁は9日、被告に事故を起こした認識があったとは認められないなどとして、有罪とした一審判決を破棄し、無罪を言い渡しました。

女性被告は2020年12月、青森市本町で横断歩道に横たわっていた女性(当時74)を運転していたタクシーでひき、死亡させる事故を起こしたのに救護措置をしなかったなどの道路交通法違反(ひき逃げ)の罪に問われています。

一審(青森地裁)で被告側は「雪の塊に乗り上げたと考えた、人をひいた認識はなかった」と供述していましたが、懲役1年2か月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡されていました。

9日、仙台高裁で開かれた控訴審判決で、深沢茂之裁判長は「事故時に被告が体感した揺れや衝撃、聞いた音から、人を想起させる程度の大きさを持つ物体に乗り上げたとの認識を持つに至ったとは認定できず、人身事故を起こしたことの認識があったと推認するには足りない」と指摘し、事故を起こした認識があったとは認められないなどとして、一審判決を破棄し、被告に無罪を言い渡しました。