青森県平川市で活動してきた市民劇団がこのほど、約10年間の活動に終止符を打ちます。演劇を通して子供たちを成長させ、地域づくりにつなげようと活動してきた劇団は今、ラスト公演に向けて熱のこもった稽古を繰り返しています。

稽古に打ち込んでいるのは、平川市演劇集団「夢ぶたい」の面々です。夢ぶたいは齋藤千恵子代表が「子どもたちの情操を育み、地域づくり・人づくりにつなげよう」と2012年に旗揚げしましたが、このほどラスト公演を迎えます。

※平川市演劇集団「夢ぶたい」 齋藤千恵子代表
「当初から10年やってくださいという声もありましたし、コロナから何から何まで一言では語れないがこれで幕を閉じなければならないだろうと」

これまで劇団を支えてきたのが山崎之也(やまざき・ゆきや)さんです。萬屋錦之介(よろずや・きんのすけ)や北大路欣也(きたおおじ・きんや)とも競演したベテラン俳優で夢ぶたいの公演は今回を含めて9回全て、脚本と演出を手がけてきました。ラスト公演となる「陽だまりのある場所」は3部構成で、第2幕は原子爆弾が投下された広島市を題材に朗読劇が繰り広げられます。

※脚本・演出を担当 俳優 山崎之也さん
「平和が何のためにあるのかという先人たちの苦労とかを少しでも肌に感じてもらえたらいいと思って」

今回の公演で大きな役どころを担うのが5人の小学生です。現代の子どもと77年前、原爆投下の惨劇にさらされた子どもたちを演じ分けます。

※杉澤悠成さん(小学6年)
「日本では戦争はないけど、今は海外で戦争が起きているし、夢ぶたいの戦争の話で戦争の恐ろしさをもっとみんなにわかってほしい」

※平川市演劇集団「夢ぶたい」 齋藤千恵子代表
「子どもたちの成長は私たちにとっても演劇教育としての大きな誇りですので、当日大人を喰うくらいの役者ぶりを見せたい、見てほしい」

演劇を通して成長してきた団員たちはこれまでの集大成となる舞台を飾るべく、熱のこもった稽古を繰り返します。


平川市演劇集団「夢ぶたい」のラスト公演「陽だまりのある場所」は1月15日の午後2時から平川市文化センター大ホールで行われます。