青森県の「陸奥湾ホタテ」の大量死の実態があきらかになりました。
2024年秋に稚貝を別の養殖かごに移しかえた直後に、湾全体の平均で51.2%が死んだことがわかりました。データが残る2018年以降、過去最悪です。
県は、2025年5月時点の陸奥湾ホタテの実態調査の結果を4日、湾内の漁協に報告しました。
それによりますと、2024年秋に稚貝を養殖かごに移しかえた直後に多くの貝が死んでいて、全湾の平均でへい死率は51.2%。データが残る2018年以降で最悪となりました。
その要因としては、2024年は猛暑で海水温が高い時期が長く続き、衰弱したためとされています。
とくに、高水温によりホタテはエラの繊毛(せんもう)に異常をきたし、エサや酸素を取り込む機能が低下していたということです。
県漁業協同組合連合会 二木春美 会長
「ここ数年は高水温によって成長が鈍い。水温が上がらない7月中に分散を終えるような指導をしていきたいなと思っております」
このほか、一部の地域でホタテがマダイに食べられる被害があり、今後、対策が必要であることが確認されました。
県漁連は、ホタテの大量へい死によって“災害級の被害”を招き、例年7万5000トンある水揚げ量は2025年は2万トンにも満たない壊滅的な状況に陥っていると危機感を募らせています。