“幻の魚”と呼ばれる日本最大級の淡水魚「イトウ」を養殖する、青森県鰺ヶ沢町で、ふ化に向けた「採卵作業」が行われました。

鰺ヶ沢町の赤石川上流にある養殖場は、1989年から「イトウ」の養殖に取り組んでいます。

体長1.5mにもなるサケ科の「イトウ」は、かつて小川原湖にも生息していましたが、今では北海道の一部でしか生息していないため“幻の魚”とも呼ばれています。

春の産卵時期に合わせて、10日に行われた採卵作業は、麻酔で眠らせた体長約90cm、重さ9kgのメスから直径3mmほどの卵を丁寧に搾り出し、オスの精子をかけて授精させます。

鰺ヶ沢町イトウ養殖場 十三 学さん
「イトウは採卵しても死なない魚なので、(採卵を)来年も待っている魚なので、魚体を触るときは丁寧に心がけている。だんだん町外や県外への出荷が増えているので、売上げが伸びて出荷尾数も増え、“鰺ケ沢ブランド”を強く出したい」

授精させた卵は山から湧き出る水で管理し、約36日ほどで稚魚が生まれます。

その後、屋内で1年、屋外の池で約4年、体長が50cmほどになるまで育てられます。

養殖場では2025年に3回の採卵を行い、2万尾のふ化を目指しています。